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税に対する時代認識が欠けた菅首相の惨敗は当然

 今回の参院選で民主党が大敗した原因は、消費税増税をめぐる菅首相の発言にあるのは明らかだ。本人は財務相時代に国際会議を重ねるうち、「日本をギリシャのようにしてはいけない」と思ったそうだ。日本とギリシャを比べるのが適当であるかどうかは別として、日本の財政は危機的状況になるのは間違いない。しかし、軽々に「自民党案の10%を参考にする」と発言したのは愚かだった。確かに消費税は選挙鬼門である。これまでも、制度の導入や税率アップを打ち出した政権は痛手を負っている。
 大平正芳首相は79年の総選挙で一般消費税導入を掲げて大敗。89年に消費税を導入した竹下登首相はリクルート事件もあって総辞職し、直後の参院選に負けた宇野宗佑首相も退陣した。消費税を3%から5%に引き上げた橋本龍太郎首相も参院選の惨敗で総辞職している。
 菅首相も同じ過ちを犯したことになるが、ミスの原因を考えると、歴代自民党首相と同列には扱えない。菅首相の失態はより深刻だろう。彼は、問題の本質が分かっていない気がする。
 税を課して徴収する側と、税を課されて徴収される側の対立は、大昔から存在した。税の負担とバランスをどう取るかは、古今東西、永遠のテーマである。過去の自民党政権は、そんな、“古典的”な対立の渦にのみ込まれて惨敗した。所得税と法人税にオンブにダッコの税制では身動きがとれなくなり、国民に新たな負担を求めた。それに庶民が拒絶反応を示した結果、自民党は大きく議席を減らすことになった。構図は単純である。だが、今回は違う。
 国民は、いまのままでは財政がどうにもならなくなることを知っている。いずれかの時期に消費税が引き上げられると覚悟している。しかし、そんなムードに甘え、「10%」と口にする首相に違和感を覚えたのだ。
 新しい時代に新しい税制が必要である。時がたてば、産業構造は変化するし、生活スタイルも変わってくる。その転換スピードが急激だ。そんなときに税制を見直すからには、ちゃんとした時代認識が必要だ。企業活動や暮らしがどうなっていて、どんな人たちにどんなサービスをする必要あるのか。腰を据えて考える必要がある。それから税制の見直しに取りかからなければウソだ。
 いかにも軽々しく税率アップを言い出した菅首相からは、この時代をどう捉えているのかが見えてこない。民意の離反は当然である。
                高橋乗宣の「日本経済一歩先の真相」より

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2010年07月18日 00:15に投稿されたエントリーのページです。

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