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「磨くべきはショートゲーム」を悟った宮里藍

 アマチュアゴルファーは、ショートゲームの大切さを知っていても練習場などであまり練習しない。だから、たまにコースでプレーすると、ショートゲームの良し悪しでスコアの差が激しくなる。
 フルスイングでは、さほど(練習量やプレー間隔で)差がつかない。でも、ショートゲームは、雲泥の差となることがしばしばある。
「米ツアーの上位の選手たちを見ていると、圧倒的にショートゲームの技術が高いですね。ショートゲームそれに、簡単に打つというか、すごく気持ち悪いアプローチをいとも簡単に打って簡単に寄せる。つまり、難しそうに打たない。」と言うのは、内藤雄士ツアープロコーチだ。特に、40ヤードとか中途半端な距離で、コントロールショットの精度が求められたとき「プロでも嫌がる距離がある。」という。「それに、ライによって使う番手が違うでしょう。すべてがサンドウェッジというわけにはいかない。芝が薄くて砂地ならPSを使うとか、PWにするとか、状況判断を間違えてザックリがありますから、スイングの技術だけでなく判断力も大事」だと内藤コーチは付け加えて教えてくれた。
 女子プロの宮里藍が、今季米女子ツアーの開幕戦で優勝し、米ツアー2勝目を挙げた。最終日、63のスコアの鍵となったのがショートゲームだった。オフに特訓をしたという。
 ディーン・ラインマスというティーチングプロがいた。フィル・ミケルソンのジュニア時代のコーチだった。彼は、よく18ホールを、各ホール100ヤード以内、グリーン回りも含めて、ショートゲームの距離だけで、ミケルソンと一緒に回ったという。18種類のあらゆるショートゲームの状況から打って、カップに入れるまでを3打でパーとし、いくつで回れるかというゲームをしたという。
「最低でも、21アンダーは欲しいね。21アンダー以上なら米ツアーで戦える。でも、24
アンダーじゃないと無理だろうね。」と言った。チップインの“ホールインワン”は3ホール以上。ほかも2打の“バーディー”にまとめるぐらいの力が必要だというのだ。
 ショートゲームでもっとも大切なのは、何だろう、と内藤コーチに聞いてみた。すると、「もちろん技術はあたりまえですけど、最後は、勇気ですね。場合によっては、ピンを狙わないとかラフに入っても無理するクラブを持たないとかもあるわけですよ。それって、すごく勇気がいるじゃないですか。・狙いたくなっちゃいますよね。ちょこっとだしたからって、そこからうまくいく保証もないから、だったら狙いたいとか。それもやらない勇気。ピンを狙ったらバーディーが取れるかもしれないところを、10メートル外して狙うとか、それも勇気。コントロールショットする時点で、勇気がいることだし……………。だからショートゲームは、勇気のいる作業だと思う。」と言った。
「オフにショートゲームの特訓をやった。」という宮里のゴルフは、技術ばかりでなく、距離感を信じて打てる勇気が養われたのだと思う。
 青木功は、練習ラウンドのとき、各ホールのグリーンに来ると、必ず振り返る。そしてグリーンからティーグラウンドの風景を見る。そこに、気がつかなかった攻略ルートや罠を見定めるヒントがあるからだ。どこに落として、どこからショートゲーム勝負に出るかなどが鮮明に分かるからだという。
 ショートゲームが難しいのは、打ち方だけでなく、クラブ選択からコースマネッジメントなどすべての要素が精緻に要求されるからだろう。
「つたなき者のならいは、約束せし事を、まことの時は、忘るるなるべし」
というのは日蓮聖人が書いた「開目抄」の一節である。
 人間は、いざというときに分かっていても、別のことをやってしまう。なにがいちばん大切なことか、忘れるものなのだ。だからそれを忘れてはいけない、ということである。
 つたなき我々は、アプローチはサンドウエッジとか決めつけたり、自分の(距離感・打ち方の)尺度なく漠然とグリーンに乗せようとする。尺度=その基本をしっかり学んで、身につけて忘れなければ、上達するはずなのに、である。
         ―――「昌鳳和尚のゴルフ講話」より
(神奈川県・法勝寺 三田村昌鳳師 元週刊アサヒゴルフ編集長)


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2010年02月27日 07:23に投稿されたエントリーのページです。

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