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ボタンの掛け違いが続くオバマ大統領はカーターの二の舞か

 オバマ大統領は、そうとうに苦しそうだ。ひとつつまずけば、他も次々躓くという状態だ。「ボタンの掛け違いはなかなか修正できない」とか、「誰にでもいい顔をしようとすると大胆なことが出来ない」といった言葉が浮かぶ。つい先日、ポール・ボルカー元FRB議長を伴って、金融規制案を発表したが、遅きに失している。ボルカーは、大統領選の時の経済政策のアドバイザーで、当初から金融規制案に近いことを主張していた。ところが、オバマ大統領は勝利した途端、NY連銀の総裁だったガイトナーを財務長官に就け、ハーバード大の学長だったサマーズを国家経済会議の委員長に任命し、いつしか80歳を越えるボルカーは閑職に追いやられてしまった。
 ガイトナーもサマーズも、ウォール街に近い人物だ。そこから、金融機関のズルズル救済、不良債権のズルズル処理が始まった。しかし、不良債権を抜本処理しない限り、金融問題が解決しないことは分かっていた。案の定、シティバンクは、1年ぶりに赤字に転落している。
 そこで、再び「金融規制」というボルカー案に戻った。金融規制案は、銀行がヘッジファンドを運営することや、銀行による自己売買取引を禁じるというものだ。ただ、これでも不十分だろう。最後は金融機関の一時国有化しかないだろう。だが、この金融規制案でさえ、議会を通らない可能性がある。
 一方、景気が一向に上向かず、追いつめられているオバマ大統領は、1月27日の一般教書演説のなかで、失業率が10%を突破した雇用問題を最重点に掲げ、200万人の雇用を創出すると訴えた。
しかし、財政赤字が過去最悪に膨らんでいるため、財政規模を大きくすることができない。雇用関係の予算を手厚くすると、他の予算を削らざるをえず、本格的な景気回復は難しいだろう。
それでも雇用重視を訴えたのは、11月の中間選挙を意識しているからだ。アメリカの選挙は「雇用」と「物価」が左右するからだ。もし、中間選挙で民主党が大敗するようなことになれば、オバマ大統領はジミー・カーターの二の舞…………。つまり1期で終わりということになる恐れがある。
                金子勝(慶大教授)の「天下の逆襲」より

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2010年02月08日 05:25に投稿されたエントリーのページです。

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