「立春に、立件できず、立ち往生」
東京地検特捜部の心境になって一句、詠んでみた。
民主党・小沢一郎幹事長が政治資金規正法について不起訴になったことで、少なくとも当面は「小鳩体制」が継続することになった。だが、鳩山政権、民主党にとっても、再生の道筋が見いだせないままもがく自民党にとっても、最重要課題は夏の参院選だ。今後は参院選に勝つためには何をすべきかを軸にすべてが回っていくことになるだろう。
となれば当然、今後の「布陣」についても、世論の動向、選挙情勢次第で大きく変化する可能性がある。与党・民主党に関して言えば、おそらく参院選挙に臨む布陣として、考えられるパターンは3つだろう。
まず1番目は、「鳩山総理、小沢幹事長ともに続投で選挙へ」というパターンだ。「人の噂も75日」という諺があるように、日本人は結構、物忘れが激しいし、熱しやすく冷めやすい傾向がある。で、今は批判が高まっているが、ほとぼりが冷めれば、ということで粘り続けて選挙へ、の構図だ。なにしろ、民主党内で選挙を仕切れるのは小沢氏しかいないのも事実である。
2番目は「鳩山総理は続投するが、小沢幹事長は選挙前に辞任」というパターン。小沢氏が「名」より「実」を求める政治家であることは言うまでもない。参院選挙で単独過半数を獲得することが、小沢氏にとっての当面の目標だとすれば、「辞任した方が選挙にプラス」と判断すれば、タイミングを見計らって辞める可能性は十分ある。
追いつめられての辞任ならともかく、民主党内の力関係から見て、小沢氏の「自発的」辞任なら、後継幹事長は小沢氏が完全にコントロールできる人物が就任するはず。となれば、実質的に小沢氏が選挙の采配を振るうことに変わりはない。
最後は「鳩山、小沢ともに辞任」のパターンだ。小沢氏に新たな疑惑が浮上したり、世論に抗しきれなくなったりで小沢が「「追い込まれ辞任」となり、一方の鳩山総理も支持率低下や自身の政治資金問題の再浮上、「5月末」を明言した普天間移設問題で結論が出せないといった政策面での失政などで辞任へ、という状況も、全く可能性ゼロとはいえない。
ま、永田町のプロたちは、この中で2番目のパターンに落ち着くとみているし、そうなるだろう。
伊藤惇夫(政治アナリスト)の「政権交代その先を読む」より