インターネット検索世界大手の米グーグルによる中国撤退騒動が尾を引いている。
今月12日、グーグルは検索結果への検閲受け入れを拒否し、中国事業からの撤退も辞さないと発表。直後には天安門事件の写真など「危険情報」が中国国内から閲覧できる異例の事態となった。
グーグルが中国政府の情報統制に「ノー」を突き付けたことは、中国のネットユーザーを勇気づけ、賛辞が相次いだが、一方で胡錦濤政権の神経を逆なでした。
グーグルが撤退を決めた理由は、民主活動家のメールアカウントがハッキング未遂の被害に遭ったことだったが、中国当局はこうした経緯の詳細を国内で報じることを禁止している。
また、中国紙・環境時報は「検閲なしでの事業を求めるグーグルの条件を受け入れるべきか」との世論調査で、「受け入れるべきではない」との回答が8割に達したと伝えている。ネット投票に大量の「動員票」があったとみられ、世論とは相当違った結果となっている。当局には「グーグルが政治的干渉をしている」という印象を植え付ける狙いがありそうだ。
当初は、グーグルが撤退すれば、中国の情報統制に批判が強まりかねないとして、当局は同社を慰留しようとした形跡もある。しかし、米政府までも批判の列に加わり、外交紛争に発展した以上、もはや引くに引けなくなった。
中国の情報統制に風穴をあけようとしたグーグルの抵抗だったが、結局はファイアーウオールならぬ、「グレートウオール(万里の長城)」を超えられなかった。