定年退職をきっかけに、アル中になるサラリーマンが急増している。いまや断酒会の会員の半分以上が60歳以上だ。昼間から酒を飲む時間ができるということもあるが、現役時代のライフスタイルが大いに影響しているという。定年後にアル中になるサラリーマンはどんなタイプなのか。「仕事だけが生きがいという人は危ない」というのは精神科医の最上悠氏だ。「家のことはすべて奥さん任せで、それを“オレは会社で仕事をしているんだから仕方ない”と自分に言い訳している人は、いわば仕事依存で、定年退職後はなにか別のものに依存しようとする。それが酒ならアルコール依存症となるわけです」
仕事熱心でマジメな管理職、酒の席でも仕事の話ばかり、責任感も強く、会社からは高く評価されているというどこにでもいるタイプだ。しかし、仕事しかしないから、定年後は特に外出する先もなく、だからといって家にも地域社会にも居場所はない。その不安が酒に走らせるのだ。「酒癖が悪い、γ-GTPが300以上なんて人はすでに立派な予備軍ですが、自分は酒に強い、バランスよく飲んでいる人も、実は“ちょっと飲みすぎかもしれないな”と内心では思っているのに、それを認めたがらないだけ。定年後にアルコール依存になる芽が潜んでいます」(最上悠氏=前出)
食事が住んでもまだもまだ飲み続ける、飲まないと一日が終わった気がしない、飲み屋に忘れ物をすることが増えた、休日の昼休みに飲みながら本を読んだりテレビを見たりする――こんな飲み方が「定年アル中」につながっていく、意外なことに、週2日の休肝日をきちんと守っているというタイプも要注意だという。頑固で律義な性格ゆえに、定年後に生活スタイルの切り替えがうまくできないからだ。