「やることがすべて裏目。非常に悔しい。こういうミスをしては米ツアーでは通用しない。」と言ったのは、ソニーオープン・イン・ハワイで3日目まで2位につけていた丸山茂樹である。最終日、前半に「やることが裏目」で,5番ホール・パー4のダブルボギーを含め、6番ホールまで3オーバー。ようやく10番ホールでバーディーを取ったものの、2オーバー、通算7アンダーの12位タイで終わった。このあたりの順位は、1打違うだけで大きく変わる。7アンダーに11人。1打良ければベスト10。1打悪ければ23位タイ。その6アンダーも9人いる。その1打の重みを丸山は十分知っているはずだ。米ツアーで9年戦ってきたからこそ「通用しない」と言ったのだ。
かつて、丸山が2004年の全米オープンで優勝争いし、惜しくも4位になったときに「何がたりないか」と聞いたら「勇気です」と言ったことを思い出す。「ショットではほとんど差がない。問題はパッティング。例えば、メジャーで優勝争いをしている中で、速い下りからでも打てるか。上りの距離をしっかり打ちきれるかどうか……これは勇気だと思うんです。彼らは、手前でボールが垂れない。つまり打ち切れているんです。これは、簡単なようですが、勇気が凄く必要なんです。この勇気が、もう少し僕にないと……」
新渡戸稲造の「武士道」の言葉を借りれば「真の勇気とは、勇猛果敢、猪突猛進ではなく、冷静にあたりを見回して自分が何をすべきかを見定めて行動する。」といっている。丸山の敗退は、その冷静な判断力を欠いて、自分で自分のリズムを壊したのだ思う。
タイガー・ウッズが次のように語ったことがある。「僕はいつも闘争心を忘れない。それは決してなくならないし、僕も決して諦めない。たとえ劣勢にあっても、逃げないこと。たとえどんなに負けていても、自分は勝てると、いつも信じなくてはならない。自分自身を信じなくてはいけない。」そのあとウッズは「本音を言えば、それは大勢の選手がそう信じているわけじゃないし、不安を感じている。」と付け加えた。
この不景気に、というとうんざりするかもしれないけれど、日本ツアーの賞金総額は、前年比で9000万円増額の37億1000万円。後半に1試合2億円の大会(計7試合)が続く。さて、日本選手で精度の高い技量と、真の勇気を持ってゲームマネジメントしている選手が、果たして何人いるだろうか。
(神奈川県・法勝寺 三田村昌鳳師)