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年金官僚の逆襲を許すな④ー社保庁よ、情報を公開せよ。

岩瀬 第三者委員会は支払い記録の物証がなくても、状況証拠があれば給付を認める方針です。それにも厚労省ははじめ抵抗したそうです。
 実は私は、5000万件問題に一つ疑問があるんです。年金問題の最大の悪は誰かといえば、言うまでもなく年金官僚です。これだけ年金が世間の関心を集め、とうとう自民党に大敗北まで喫させてしまった。 となれば、いずれ政治が年金利権の核心にまで踏み込んでくる恐れがある。それは彼らにとって絶対避けなければならないことです。それなのに、「5000万件」という非常に巨大な数字をなぜ、あっさりと公表したのか不思議です。したたかな年金官僚の経験則に照らせば、マイナスの要因は必ず隠蔽しようとするし、ミスの数字も過少申告するのが常套手段ですから。
長妻 それは年金官僚の読み違いでしょう。彼らは当初、ここまで問題が巨大化し、また長期化するとは考えていなかったに違いない。一部の自民党議員は問題視したのですが、年金官僚の、年金官僚の、記録漏れの大半は物故者だという“ご説明”に納得して矛を納めてしまった。
 昨年6月に、私が国会の委員会質疑で2300万件の統合漏れがあることを質した時も、新聞やテレビはほとんど報じませんでした。そういえば、その直後、岩瀬さんと一緒に『TVタックル』に出て、記録漏れについて議論しましたね。
岩瀬 ええ。でも、その時は全く注目を集めませんでした。こういった一連の流れのなかで、年金官僚は油断したのかもしれません。「5000万件」を公表したって、たいしたことにはならない、と。
長妻 こうなった以上、村瀬長官以下、全庁あげて情報を公開すべきです。都合の悪い情報もあるでしょうが、すべてをさらけ出すそれくらいの覚悟がなければ、国民の信頼を取り戻すことは不可能です。
 「5000万件」に関しても、その保険料総額すら隠し続けている。通常は毎年7月までには公表されている未納率や、厚生年金の未適用事業所の実態も公表されていない。選挙前なので情報を押さえてたしか思えない。歴代の社保庁長官が全員、厚生省(厚労省)の“天下り”官僚だったのに対して、村瀬長官は損保ジャパンから転じた民間人、彼にはこれまでの長官たちと違って、死守しなければならない“利権”はないはずでしょう。
岩瀬 部下からも話しやすい人だという評判を得ているそうです。村瀬長官は“善人”過ぎるのかもしれません。
長妻 アメリカでもかつて、徴税と年金保険料の徴収を担当する内国歳入庁(IRS)が度重  なるトラブルによって、その信用と信頼が失墜した時期がありました。その時、再建を委ねられたのが、ロソッティというIT関連企業の経営者でした。1997年にロソッティがIRS長官に就任して打ち出した大原則は、都合の悪い情報も含め全てを公開し、衆人監視のなかで解決策を進める事でした。その結果、IRSは国民の信頼を回復し、ある米国紙によれば、IRSのサ-ビスはマクドナルド並み、という評価を得るまでになったのです。本音で言えば、税金を徴収されて嬉しく思う国民などまずいないというのが万国共通。にもかかわらず、マクドナルドと同じぐらいIRSのサービスの質を米国民は評価した。
岩瀬 イギリスの年金業務を行なうペンション・サービスでも、民間の調査会社に依頼して、国民サービスの状態を覆面調査でチェックしています。社会保険事務所の窓口での対応の悪さを実感している人は多いでしょうが、こういったサービスの入口から改善しないかぎり、信頼は得られない。
 情報公開も長妻さんが指摘されるように重要です。国民は今や疑心暗鬼になっています。村瀬長官は、ロソッティと同じ民間出身者なのだから、“日本のロソッティ”になる覚悟を持たない限り、地に堕ちた信頼は回復できません。
長妻 そもそもこれだけの大問題に発展したのに、厚労省にも社保庁にも引責辞任した人は一人もいない。村瀬長官への辞任要求すら出てこない。おそらく村瀬長官が社保庁の実質的な責任者ではないことを皆わかっているからではないですか。彼はスケープゴートにすらなれない。マスコットに過ぎなかったのです。

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2007年08月17日 16:15に投稿されたエントリーのページです。

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